| |
福岡市中央区のけやき通り、この街を創造してきたのが福永
氏である。地域に根付いた街づくりを目指している彼は「建築家は地域に根ざした街医者的な存在であるべきだ。専門的な観点から住民に知恵を与え解決していく。それが街づくりの基本である。」と主張している。
「今回のコンセプトハウス六棟もまずは土地ありきからスタートしました。そして、六棟それぞれの関係において秩序の組み合わせを再構築して企画したのです。」
「具体的に言えば森と水辺を真正面に見ることができるロケーショ
ンをいかに全ての住戸からお互いが干渉されずに楽しめるかを考慮
しました。一般的な建売住宅であればそういう隣接住戸との関係は
無視されることが多く、せっかくのロケーションが活かされない場
合があるのです。そして各住戸それぞれの中で時間と共に移り変わ
る風景が絵になるように見えるよう配慮し、それが生活のワンシー
ンの中で住む人に感動を与えてくれればいい。」そういう考えで開
発された六棟のコンセプトハウスであるが、元々の発想は一般的な
建売住宅である「ただの箱」を否定することから始まった。つまり、家族のライフスタイルに合った住まいであり、人間にも個性があるように家にもいろいろな顔があって個性があっていいのではないか。そういう思想に福永氏も共鳴し設計に携わったのである。
ライフスタイルに合った住まいは理想であるが、「ライフスタイルは一
人十色である。」と彼は言う。確かにライフスタイルはライフサイクルによって変化するものであり、一生涯同じという訳にはいかない。しかし「もちろんそういう時間軸を配慮したプランを企画しないと受け入れられないし駄目である。」と言い切る。また次のようにも言っている。「住まいの中で一箇所だけでも気に入る空間があればそれでいいし、暮らしの中で幸せを感じてくれればいい。例えばお父さんの帰りが早くなったとか、夫婦が仲良くなったとか、住まいが自慢の種であるとか・・・。そういう住まいが理想の住まいではないでしょうか。」
コンセプトハウスが完成するまでのお話を尋ねてみた。
「完成後の善し悪しは施工に携わる大工さん次第であると言っても
過言ではありません。六棟のコンセプトハウスでは地元の大工さん
に合った設計にしており非常に造りやすかったのではないでしょう
か。造りにくい設計だとどうしても粗悪になりがちです。また今回
の六棟は立体的な工夫を施している為、平面図を見ただけではイメ
ージが湧きにくいのです。だから次第にカタチが見えてきたらあー
なるほどこうなっていたのかと大工さんたちはすごく感動してくれ
たんです。」大工さんを感動させるコンセプトハウスですが、なぜ今までこういう建売住宅は無かったのでしょうか。「これまでの供給サイドの最大公約数的な発想はすでに終焉しているんです。個々のユーザーに合った商品造りがこれからのテーマなんです。もちろんユーザーのライフスタイルは一人十色でありそれに合わせると住まいも千差万別になります。そうなると注文住宅となるのですが、注文住宅はお金も時間もかかり完成するまで見ることができないのが難点です。建売住宅であればユーザーのスタイルは想定できるし、自由な発想で企画できるのです。」
これからの時代にマッチした注文住宅と建売住宅の中間的な位置づ
けであるコンセプトハウス。ライフスタイルに合った住まいこそ理
想であり、コンセプトハウスに住むことによって楽しい人生を送る
ことができるのではないでしょうか。
|
|